皆さんこんにちは。
最近タチリュウ整骨院では小学生～高校生の野球選手が肩の痛みや、違和感を訴え相談してくれることが多々あるので、今回は『野球肩』に関しての内容を記載させて頂きます。
野球に携わる方ならよく耳にするワードだと思いますが、そもそも『野球肩』とは、、、、？
すごくざっくりとした言い方で言うと【野球をやっているときに、投球動作で生じる痛み】です。
肩関節を動かすのに使う筋肉や、腱、または骨と骨との間にある関節唇などがオーバートレーニングや、間違ったフォームでの投球により損傷した場合に起こります。
あくまで『野球肩』というのは、これらの痛みが出ているケガの総称なので、痛みが発生する箇所に関しても肩の前面、後面、外側、肩甲骨などさまざまですし、もちろん個人差もあります。
この『野球肩』と言われる状態にはその損傷部位や、症状によって治療期間や、ノースロー（投球禁止）になる期間も異なりますので、今回はその中でも特にメジャーなものを御紹介させて頂きます。
◆ルースショルダー（動揺性肩関節症）
昨日この症状の選手が来院されましたので、まずはこのケガからご紹介します!
呼ばれ方の通り、肩関節がルース（ゆるんだ）な不安定な状態で、一般的な肩関節の可動範囲以上に動いてしまいます。
オーバートレーニング等で肩に負担がかかりすぎると痛みが症状として現れます。※基本的には1度の大きな力で起ることはなく、先天性なものが多いです。
症状：普段は痛みを感じませんが、投球動作なので肩を使った際に痛みを伴います。また、肩関節に違和感を感じたり、脱力感、倦怠感を感じたりします。
治療：肩関節周囲のインナーマッスル（肩甲骨と上腕骨を繋ぎ、肩関節を安定させる筋肉）を付ける必要があります。
また、応急処置としてトレーニング後に痛みがある場合は10分程度アイシングを行うと痛みの軽減につながります。
※アイシングを行うことで痛みの軽減にはつながりますが、根本が改善するわけではないので、治療や筋力強化は必要です。
肩関節周囲のインナーマッスルのトレーニングに関しては、次回私の担当するブログで御紹介させて頂きますね!
◆回旋筋腱板損傷
肩関節の安定、横に挙げる際などに作用する筋肉の1つに棘上筋という筋肉があります。このケガはその棘上筋から繋がっている棘上筋腱という腱板の損傷です。
損傷の度合いは大小ありますが、投球動作の肩関節の捻じれや、牽引により発症し、痛みが発生します。
この損傷は、野球以外でも上半身を使うスポーツをやっている選手に結構起こります!
症状：肩関節を前や横に挙げることが難しく、痛みが伴います。肩関節周囲に腫れが起こったりする場合もあります。
治療：損傷の度合いにもよりますが、もっとも重症な場合は手術が必要になることもあります。軽度な場合でも2週間程度の安静（ノースロー）に加え、固定、治療、リハビリは必要です。
◆インピンジメント症候群
肩関節の骨と骨との間が狭まり、肩関節を使う度に骨間にある軟部組織や、周囲の筋肉が挟まれこすられて痛みが発生します。
このケガも野球以外でも起こりやすく、肩関節を上に挙げるスポーツは注意が必要です。
症状：肩関節をまっすぐ前方に伸ばし、そこから他動的に肩関節を上に挙げていってもらうと痛みがでます。（インピンジメント徴候）
治療：まずは肩関節を休めて上げることが大切です。軽度な場合でも3日はノースローが望ましいですが、肩周囲の筋肉の過緊張を緩めていく必要もあります。炎症が治まったら徐々に肩関節を動かしていくようにしましょう。
今回ご紹介した『野球肩』と言われる3つのケガのほかにも、原因や症状により様々なケガの種類が肩関節には存在します。
ノースローの時期や治療・リハビリの有無により、完治の時期も大きく変わってきますし、その後のパフォーマンス、選手生命にもかなり関わってきますので、まずは専門家に相談して頂くことが望ましいです。そして、その選手にとって最もよい治療過程を一緒に考え、早期回復・パフォーマンスの向上につなげていきましょう!!
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